2010年2月3日水曜日

QCでモーショングラフィック

私は映像制作をするなかで、より良い映像を作るため

効率よい作業をし、最短でたどり着く道を探します

その状況に適した道具を使い分けるのが最良の道だと考えます

建設業に従事している方は場所作業において重機を使い分けます

その「重機を操り」「重機を選択」するのも人間です


今回はQCでモーショングラフィックを制作します

モーショングラフィックを制作する場合は「AfterEffects」を使用した方が

効率的ですが、まだ紹介していないパッチを使うので最後までお付き合い下さい


ファンタジー世界で「蝶」が「光る粉」をまきながら「螺旋状」に飛んでいく映像を制作します

まずは「蝶」です

蝶の動きは左右対称な羽で「羽ばたき」飛んでいます

一枚の画像で真ん中で折って上下させることが出来れば

簡単に「羽ばたき」を表現できますが折りたたむことは難しいです

片側だけを書いた「2枚の画像」を用意し、上下させれば良いわけです

2枚のimageを用意して、2つの「sprite」を用意して各々をつないで下さい

片側だけ書かれた蝶の絵が重なることにより1匹の蝶の絵が描画されています


こちらに「はばたき」のモーションをつけていきます


回転と角度を調節するのは「Rotation」です


まずは「X Rotation」を90度に設定し

「Y Rotation」に「LFO」パッチをつなぎます

「LFO」は三角関数波形を出力するパッチです


左図がsin波とcos波の関係図です(コマネチ大学Webサイトより転記)

今回はどちらでも良いのでsin波のまま両方につなぎます


すると片側は大丈夫ですが、同じ角度に両方動いてしまいます

蝶は胴体を中心に左右が同時に動きますので

片側に「Math」パッチを適応します

「Mtah」パッチは数式を入力するパッチです

片方の羽は逆の回転をしてほしいので「−1」をかけることによって

角度が逆になりミラーのように対称な動きをします

右図を参考に数式を入力してください

以上で「はばたく」「蝶」の完成です


次は「光る粉」をつくります

「QCでつくる時計」のTipsで登場した「pareticle System」です

「image」に「Blur」を経由しつなぎます

「Blur」はいくつか種類がありますがお好みのもをを探してください


「COLOR」に先ほどの「LFO」から「HSL Color」の「Hue」を経由します

以上で蝶から「光る粉」がまかれている演出の完成です


最後に「螺旋状」の動きをつけます

「光る粉」は蝶に付随するものなので

蝶と光る粉の「position」は同じでなければなりません

円の軌道を描くには「X」にsin波、「Y」にcos波をつなぐことによって表せます



「Z」に「Interpolation」パッチをつなぎます

「Interpolation」は入力された値を出力するパッチです(※QCでRSS表示)

「Z」は奥行きなので画面手前から画面奥までの値を入力します

以上で「螺旋状の動き」が完成しました



モーショングラフィックを作る場合

作る順番を熟慮する必要があります

「形状」それから「動き」という順番をくずしてしまうと修正が困難になってしまいます

この考え方は映像を作る上で非常に重要なセオリーです


まずは「形から入る」映像だけではなく全てに応用できそうなセオリーですね

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